この記事では英検準1級合格を目指すにあたり「多読」学習の効果について調べたことをまとめます。私自身、10年ほど前に英語の学び直しに本格的に取り組んだ時期があり、「多読」に意識的に取り組んでいた時期がありました。もともと読書が好きなので多読で英語力が伸びたら楽しみながら取り組めると考えたのです。
今回、英検準1級試験を受験するにあたり、英検合格のために「多読」を取り入れることは可能なのか、検証してみたいと考え記事をまとめました。
「英検」研究助成制度の研究報告書に「多読」に関する報告書アリ
英語検定協会には、「英検」研究助成制度があり、ここで英語教育に携わる方々の英語学習に関する研究結果がしめされています。その中に、「多読」の学習効果を裏付ける研究結果がいくつか見られました。
その中でも第 26 回 「英検」研究助成の研究報告書「多読は速読に有効か?」では「多読」に関する興味深い結果・考察が見られました。
この報告書内で述べられている、「音読」についての考察は、私自身が英語学習を「音読」中心で進めているということもあり、今後の英語学習に役に立てたいと感じた部分でした。
黙読は「文字のことばを目で見て,脳で情報処理しておしまい」であるのに対して,音読は「文字のことばを目で見て,脳で情報処理を行い,音のことばに変換して口から出し,さらに自分の声が耳から入力される」と区別するとともに,黙読の方が音読に比べて短い時間で多くの情報を得られる点が大きなメリットだと主張するのは川島・安達(2004)である。
多読は速読に有効か?より
「口の中で声を出して読む黙読という行為には,視覚に加えて,脳による論理的な理解と,言葉の発声面から声(聴覚)による情報が脳に入っていく。そのために,視覚だけが入っていく場合と比較して,理解力や記憶力の面で優れている」と心内音読のメリットについても説明している。最終的に,「音読,黙読,視読を巧みに操ることが,速読・速解と記憶を兼ね備える読み方をマスターするコツとなる」
多読は速読に有効か?より
児童の読みの発達から見ると,まず声に出して読む音読に始まり,徐々に黙読に移っていくのが普通である」と主張する。また,輿水実の言葉を引用して,「低学年では音読を主にするが,高学年は黙読を主にする。最初は大部分音読だが,一年の終わりには黙読二五%,音読七五%
多読は速読に有効か?より
ぐらいにする。三年,四年でどんどん黙読をまし,黙読七〇%ぐらいまでにする。六年の終わりでは,必要なもの,必要な場合以外は,ほとんど黙読ということにする」と小学校における音読・黙読の指導プランを例示している。
一部、私が参考にしたい部分を引用しましたが、この内容を元に英語学習への活かし方をまとめます。速読のためには「黙読」をめざしていくことになるが、まず英語力を上げるためには「音読」または「心内音読」が有効ということになりそうです。
「洋書多読」で英検準1級は目指せる!
インターネットで情報を探すと、小学生が多読を中心に英語に触れて英検に合格した記事などが複数見られます。また、多読のみで英検1級を取得された方の記事などもありました。個人差もあるのでどのくらい多読をすれば英検準1級取得、とはっきり言えるほどのデータはなかったのですが、複数の方の記事を参考にすると、英検準1級はネイティブの小学生低学年が読む読み物をすらすらと読めたり、理解できると合格圏内に入ってくるそうです。
また、私の「多読」経験のきっかけになった英語多読研究会SSSでは、多読の仕方や実践されている方々の体験を知ることができます。英検準1級や1級、TOEIC高得点を取得されている方も多くおられます。
まとめ
ここまで、英検準1級を目指すために「多読」は有効なのかを検証してきましたが、基本的な文法や語彙を習得した上で、「多読」を中心に英語力を伸ばしていけることは多数の研究結果で実証されています。ただ、短期決戦で英検対策をするのには「多読」は不向きかもしれません。また、英語学習をする上では「音読」をすることも「多読」同様に英語学習に有効だということも再確認することが出来ました。
「多読」は、実践的な英語力を付けるためには「必要」で「楽しめる」方法ですので、英検準1級合格後に1級を目指す際には「多読」「音読」「オンライン英会話」を英語学習の3本柱として取り組んでいきたいなと思っています。