2024年度から新形式になる予定の英検について8月31日~9月28日の間で複数回Zoomにて説明会が開催されたそうです。
安河内哲也先生がライティング新形式について解説した内容が公開されていましたので見てみました。「要約」についての概念が分かりやすく、参考になります。
ライティング問題の2級「要約問題」の解答のポイントについては英検準1級合格をめざしている皆さんにも役に立つ内容になりそうだと感じたので一部ポイントについて記事にまとめてみます。
2024年度から予定されている英検リニューアルの内容
動画内の解説では、新形式へのリニューアルによって、英検の試験が「読む、聞く、書く、話す」の4技能についてバランスが良くなったと話されています。
英検準1級についてはリーディングの問題数が減り、ライティング問題が1題から、「要約問題」が増えたことで
英検準1級についてはリーディングの問題数が減り、ライティング問題が1題から、「要約問題」が増えたことで2題の出題となり、アウトプットの力がより問われる試験になっています。
安河内哲也先生のライティング解説動画の重要ポイント
動画では英検2級の「要約問題」について解答をするときの考え方について解説してあり、そこが「要約問題」を回答するうえで重要なポイントになると感じました。準1級の「要約問題」についても「要約問題」への取り組み方としては共通のものになると考えられます。
英検ホームページでリニューアルのお知らせにあるサンプル問題の例文を使用して解説されていました。
https://www.eiken.or.jp/eiken/info/2023/pdf/20230706_info_eiken.pdf
(英検ホームページ リニューアルについてのお知らせより引用)
【準1級「要約問題」にも応用したい英検2級「要約問題」について「要約のポイント」】
・文章全体で伝えているメッセージを捉える
・パラグラフごとの重要なポイントを盛り込む
・具体的表現を抽象的表現にまとめる
【特別講義】英検を活用して4技能を伸ばそう!ライティング新形式で書く力を育てる方法(安河内哲也先生)6:50あたり
文章の一部のみを読んで主題が分かるような英文ではなく、全体を読まないと主題がわからない英文になっているとのこと。ですので、「1段落目のどこかにトピックがあるから探す」というようなテクニック的な解答の仕方は通用しない問題になることを明確に話されていました。
準1級「要約問題」の出題例で内容把握にチャレンジ
https://www.eiken.or.jp/eiken/info/2023/pdf/20230706_info_eiken.pdf
英検ホームページのリニューアルについてのお知らせでは、リニューアルされる内容についてサンプル問題が公表されています。2級の「要約問題」解説を応用して、準1級の要約問題の内容把握にチャレンジしてみましょう。
【準1級ライティング要約問題英文の内容の意訳】※管理人が意訳
第1パラグラフ…1980年代から2000年代までイギリスの国営美術館では入場料を払わなければならなかった。芸術を応援する政府により入場料の値下げを目的に、政府から国営美術館に補助があったことにより多くの国営美術館の入場料は無料となった。
第2パラグラフ…この政策の支持者はこの政策が個々の経済状況に関わりなく国営美術館を訪れる機会となり、美術館におさめられている芸術や文化的歴史に触れる機会となりうると説いた。
第3パラグラフ…ある調査では、政策施行後、国営美術館あたりの平均で70%もの来場者の増加を示したにも関わらず、批判者はこの政策は必ずしも成功とはいえないと主張した。この来場者の増加はある一定の人が何度も国営美術館を訪れていることから生じており、独自に運営している美術館はこの政策に悪い影響をうけているというものである。人々が入場料を支払う必要のない国営美術館に行くことで独自運営をする美術館の来場者数は減り、経営を難しいものにしたのである。
文章の因果関係や論理的な思考が求められる文章です。さらに、リーディング問題での読解力以上に正確な内容把握力が求められると言えそうです。
まとめ
今回は英検リニューアルに伴って出題が予定されているライティング問題の「要約問題」の要約のポイントについて紹介しました。安河内先生が動画内で解説されている2級「要約問題」取り組みのポイントの中でも「文章全体」「パラグラフごとに意味をとる」という点について今回は特に記事で扱っています。
実際に公開されている英検準1級の「要約問題」を読んでまずは日本語で要約にチャレンジしてみるとコツがつかめるかもしれません。実際に回答する際にはさらに要約した英文を表現する力が求められます。最終的に英語で要約するところまでについては、また改めて記事にしてみたいと思います。
今後各社からの問題集や実施試験数が増えていく中でより傾向や対策も明確になりそうです。こういった分析やチャレンジも楽しみながら問題に取り組んでみるのも面白いですね。